
無電解めっき
電気めっきでは電気を流して皮膜を得るため、処理物には通電性があることが大前提となります。
しかし、無電解めっきでは電気の力を使わず、化学的にめっきを施すことが可能です。溶液中の金属イオンを化学的に還元させることで、処理物の表面にめっき金属を析出させます。
電気めっきの処理物は導体でなければなりませんが、無電解めっきではプラスチックやセラミックなどの非金属など、様々な処理物にめっきを施すことが可能になります。
無電解めっきで得られる皮膜は精密性に優れており、自動車部品や電子部品など、高い精度が求められる工業的用途などに使われています。
無電解めっきは、プラスチックめっきにおける下地用の皮膜としても不可欠な存在と言えるでしょう。
無電解ニッケルめっき
ニッケルとリンの合金めっきであり、無電解めっきの中では工業的に最もよく使われるめっき法です。
無電解ニッケルめっきは電気による析出ではないため電流分布の影響を受けず、複雑な形状の処理物でもムラなくめっきすることができます。めっき皮膜の厚さも均一です。
多くの機械的特性や電気的特性などを持ち、近年ますます需要が高まってきています。
無電解ニッケルめっきはリン含有量の違いにより、低リンタイプ・中リンタイプ・高リンタイプの3つに分類されます。それぞれに得られる皮膜の性質が異なるため、用途により適切な方法を選択することが重要です。
無電解銅めっき
比較的幅広い処理物に、純度の高い銅皮膜を形成することができます。プリント配線板のスルーホールやプラスチックめっきに欠かせないめっき法となっています。
無電解銅めっき浴にはホルマリンが含まれているため、近年ではホルマリンを使わない無電解銅めっき浴が考案されています。
