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鍛造(塑性加工)-ねじ部の製造法

 

塑性加工とは?

塑性加工とは、強い力で素材の形状を変える加工のこと。物質の塑性(大きな力を加えたとき永久的にその形を変えること)を利用して、金属などの材料を目的の形に変えることを言います。

他の加工法に比べ、加工時間を短縮できたり、材料のロスを抑えられたりするなど、様々なメリットがあります。

 

ねじの塑性加工としては、主に鍛造と転造が挙げられます。

 

ここでは、ねじの鍛造についてご説明します。

 

 

日本刀にも使われる、鍛造の技術

塑性加工法の一種・鍛造とは、鋼材を叩くことで強度を増しながら、目的の形状に加工することを言います。

古くからある加工法で、刃物や武具などの製造法としても知られています。

 

鍛造には、「冷間圧造」「熱間圧造」「温間圧造」の3種類があります。

 

 

冷間圧造

素材を熱することなく、常温のまま加工します。熱による歪みが生じることが少なく、加工精度が高いのが特徴です。ねじを量産する現場では、最も普及している方法と言えるでしょう。

 

 

熱間圧造

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通常、鋼材などは加熱すると柔らかくなり、加工しやすくなります。熱間圧造ではその性質を利用して、鋼材を再結晶温度にまで加熱・加工します。

高温にすることで、加工度や加工速度を高めることができます。しかし、熱による膨張や収縮があるため、冷間圧造に比べると加工精度が劣ります。

 

 

温間圧造

冷間と熱間の間にある圧造法です。冷間と熱間の両方の圧造法が使えない場合に用いられます。

特にオーステナイト系ステンレスは冷間圧造により磁性を帯びるため、非磁性を維持する必要がある場合などは、温間圧造で加工されます。

冷間圧造と熱間圧造の両方の長所を併せ持つ反面、設備投資などの多額な初期投資が必要になります。

 

 

 

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