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オノナビvol.4 ステンレスの磁性について

 

ステンレスは合金鋼!

 

ステンレスは、主成分を鉄とする合金鋼。鉄にクロムやニッケル、モリブデンやチタンなどを添加しています。

ステンレスの代表的な鋼種・SUS304には磁性がないため、ステンレスは磁石につかないというイメージがありますが、じつはそうとも限りません。

 

詳しくは下記の表をご覧ください。

 

鋼種 オーステナイト系 フェライト系 マルテンサイト系
代表成分 18%クロム・8%ニッケル 17%クロム 13%クロム
代表鋼種 SUS304・SUS316 SUS430 SUS410
磁性 なし(注) あり あり

 

(注)SUS304は通常、磁性を持たないのですが、冷間圧延などの加工をすることにより、磁性を持つようになることがあります。

成分的にはJIS規格を満たしていても、強度の冷間加工が行われた製品には磁性がある場合があるため、注意が必要です。

これは冷間加工により、金属の結晶構造が一部変化するためです。準安定オーステナイト組織の一部が変態して、マルテンサイト組織になります。

単重に対して加工度合いが高い製品については、磁性が生じる場合もあります。

※磁性と耐食性に直接の関係はありません。

 

例)ワッシャー(圧延加工・プレス加工)
  六角穴付き止めねじ(穴圧造加工・全身ねじ転造加工)

 

 

ステンレスの磁性による実用上の注意と利点

 

ステンレスの磁性により、通常、実用上の問題が起こることはありません。

 

しかし、わずかな磁性が問題となる精密電子部品では、多少の冷間加工でも磁性が生じることのない高クロム・高ニッケルの鋼種を選択することが必要です。

 

一般的な材質としては、SUS304→SUS316→BUMAXの順に透磁率は低く、磁化しにくくなっています。

 

これとは逆に、オール電化の進んだ現代では、磁化しやすい素材が重宝されるケースも増えています。
例えばIHクッキングヒーターに使用できるIH用の鍋には、透磁率が高く磁性のあるSUS430が使われています。

 

 

 

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